ちょっとした移動から観光やビジネスまで、幅広く活躍する「タクシー」。
普段見慣れているタクシーの色、他の地域では全く異なる可能性が。
関東と関西のタクシーを例に、タクシーの色にまつわるトリビアを解説します。
関東と関西、タクシーの違いはズバリ…!
Which(どちらが)
関東では
Why(なぜ)
企業間で差別化を図るため
How(どのような)
カラフルな色の
タクシーが多く存在します。
Which(どちらが)
関西では
Why(なぜ)
上質な黒タクとの併用を図るため
How(どのような)
黒い色の
タクシーが多く存在します。
関東のタクシーはカラフル、関西は黒メイン?他社との差別化、運用効率化が理由
関東のタクシーは、黄色や緑、オレンジなど色の種類が豊富です。
これは会社や組合別に違う色を採用し、差別化を図っているためと考えられます。
対して関西では、黒いタクシーが大多数。
一般的なタクシーより上質な「黒タク」と併用できることが理由のようです。
関東のタクシー:会社によって異なる様々な色
明治時代に国内初のタクシー事業が始まった関東、東京の有楽町にある会社が起源です。
関東のタクシーといえば、国際自動車、帝都自動車交通、大和自動車交通、日本交通の大手タクシー企業を指す「東京4社」が有名。
任意団体を発足した4社は車体色も統一しており、レモンイエローに赤帯のデザインで一際目を引きます。
他社でも緑や赤色のタクシーが見られるなど、関東にはカラフルな車体が多いようです。
団体を組む4社を始め、各グループで差別化を図ったことが主な理由と考えられます。
・カラフルカラーから藍色化が進んでいる?
お馴染みだった黄色×赤帯のタクシーが減っていることをご存知ですか?
これは「深藍(こいあい)」色を採用した、JPNタクシーへの配置換えが進んでいるため。
JPNタクシーとは、東京オリンピックを見越してトヨタが発売、普及を促しているモデル。
市松模様のエンブレムに採用された藍色同様、和を感じるカラーリングが特徴です。
オリンピックが開催される頃には、深藍で統一されたタクシーが数多く並ぶことでしょう。
関西のタクシー:どの会社も黒が多い
大阪を中心とする関西のタクシー、賑やかなイメージから派手な色を想像する方も多いのでは。
関西でよく見られるタクシーの色は、ズバリ「黒」。
会社に関係なく、多く採用されているカラーです。
社名表示灯やステッカーがあって、初めてタクシーだとわかるその外観。
関東のカラフルなタクシーに慣れていると、夜はうっかり見落としてしまいそう?
上質なタクシーを指す言葉「黒タク」
タクシーの中には「黒タク」と呼ばれる種類があります。
主に関東で使われる、一般的なタクシーより1ランク上のタクシーを指す言葉。
文字通り外観は黒く、カラフルな車体よりも高級感があります。
車のグレードが良い、上級乗務員資格を持ったドライバーしか運転できない、といったケースも。
ただし、黒タクの仕様はあくまで企業ごとに定められているもので、業界全体としての規定はありません。
そもそも黒タクがない会社もあるため、黒いタクシーは全て上質、という訳ではないのです。
関西に黒いタクシーが多いのは黒タクの効率運用が理由?
関西で黒いタクシーが普及しているのは、黒タクの運用効率化が主な理由です。
需要に限りがある高級志向の黒タクは、予約がある時に運行。
それ以外は通常のタクシーとして走らせるために、敢えて黒色を選択していると考えられています。
昨今のタクシー業界ではサービス向上が推進されており、一般的なタクシーでも黒タク基準の車両が導入されているとのこと。
故に併用が可能で、その際には車体の上にある行灯を取り替えて対応するようです。
・黒=高級感があるのも理由の1つ?
「高級感」があるから黒いタクシーが増えた、という説もあります。
黒タク然り、黒い車は落ち着きがあって上質に見えますよね。
関西でも昔はカラフルなタクシーが走っていましたが、高級感を重視した結果、黒いタクシーが増加したとも考えられるでしょう。
タクシーとハイヤーの違いとは?
タクシーと同じように耳にする「ハイヤー」、タクシー会社の名前に使われていることもありますよね。
実は両者には明確な違いがあります。
街中を走る“流し”を行う、一般向けなのがタクシー。
完全予約制で上級モデルを使い、サービスクオリティが高いのがハイヤーです。
多目的向けで気楽に使えるのがタクシーで、ビジネスシーンや富裕層向けがハイヤーと言えます。
【ファンキー通信】なぜ関西には「黒タク」が多い? – ライブドアニュース(参照2020.7.29)
日本交通の歩み(沿革) | 日本交通(参照2020.7.29)
数減らす「東京四社カラー」タクシー 黄色に赤帯の車両 新型車両への置き換えで | 乗りものニュース(参照2020.7.29)
タクシードライバー憧れの黒タクの魅力 | ドライバーズワーク(参照2020.7.29)
東京のタクシー百年史|タクシー生誕100周年[社団法人 東京乗用旅客自動車協会](参照2020.7.29)
トヨタ ジャパンタクシー | トヨタ自動車WEBサイト(参照2020.7.29)
車輌のご案内|タクシーに乗る|阪急タクシー(参照2020.7.29)
ハイヤーとタクシーって何が違うの? 違いを知っておきましょう – 大和自動車交通(参照2020.7.29)
タクシーとハイヤーの違い – 東京リムジン|ワゴン・ワンボックスのハイヤーサービス – 飛鳥交通グループ(参照2020.7.29)
料金からサービスまで!タクシーにまつわる豆知識
タクシーを利用した時の料金、どうやって決まるか知っていますか?
主な料金形態のほか、把握しておくと便利なタクシーサービスを紹介します。
料金の違いや仕組み!主に3種類
タクシー料金は賃金や物価などに応じて変わるため、都道府県ごとに違います。
旅行に行く際は、あらかじめ目的地周辺の相場を確認しておくと良いでしょう。
主な料金形態は、次の3種類です。
・時間距離併用制
初乗り料金をベースとし、乗車地点から降車地点までの走行距離と時間に応じて、料金が加算されるシステムです。
基本は走った距離をメーターで計測し、運賃が算出されます。
時速10km以下になった場合には、時間料金が加算。
信号の待ち時間に運賃が増えるのは、時間計算が併用されているためです。
・時間制
搭乗時間に応じて加算される計算方法で、距離は関係ありません。
主に冠婚葬祭や観光などでの使用を目的とし、事前の予約が必要となります。
指定時間を超えると追加料金が発生。
タクシーの拘束時間が長くなることを前提としたプランです。
・定額制
時間や距離に関わらず、最初から料金が決まっている定額制。
一定区間のみ利用可能で、公共交通機関までの運送、イベントや観光向けのサービスが主流となります。
割引、割増が適用される条件について
割引、割増運賃の仕組みは様々あり、地域やタクシー会社によって異なります。
一般的に見られるのが、障害者割引や遠距離割引、深夜早朝の割増などです。
利用回数によって割引できるポイント制や、曜日によって料金が安くなる場合も。
よく使うタクシー会社があれば、お得なサービスがないかチェックしておきましょう。
使い分けたいタクシーの種類!目的やシーンに応じて
単に移動するだけがタクシーではありません。
タクシー会社ごとに趣向凝らしたサービスが豊富なのです。
その一例をご紹介しましょう。
・家族向けのタクシー
小さな子供がいる家庭や、妊婦さんに優しいサービスがあります。
塾や保育園、学校などの送迎が依頼できるキッズタクシーは、共働き世帯の心強い味方。
陣痛時に優先してタクシーを手配してくれるなど、いざという時に頼れるサービスも存在します。
・観光向けのタクシー
観光に特化したタクシーでは、乗務員がガイドを行ってくれるケースも。
おすすめルートを案内してくれることはもちろん、乗客のニーズに合わせて最適なルートを提供してくれるサービスもありますよ。
上手に活用すれば、旅の充実化が図れるでしょう。
・様々なサポートタクシー
高齢者や、体が不自由な方向けのサービスも豊富です。
冠婚葬祭などのイベントだけでなく、病院や買い物といった日常生活のサポートも含めて提供されています。
有資格者の乗務員がケアしてくれるプランや、お墓まいりの付き添いといった具体的な内容のサービスもあるのです。
タクシー料金|一般社団法人栃木県タクシー協会(参照2020.7.29)
信号待ちでもメーターが上がるのはなぜ?タクシー料金の基礎知識(参照2020.7.29)
運賃・料金 | 運賃 – 全タク連(参照2020.7.29)
タクシー事業の現状 | いろいろなタクシー – 全タク連(参照2020.7.29)
タクシー:第一交通グループ(参照2020.7.29)
タクシーサービス | 東京・日本交通株式会社(参照2020.7.29)
新しいタクシーサービス(参照2020.7.29)
タクシーサービス一覧 | 東京のタクシーなら日本交通(参照2020.7.29)
関東はカラフルなタクシーで他社と区別、関西は黒いタクシーで黒タクと併用
カラフルなタクシーが豊富な関東では、色で他社との差別化を図っていると考えられます。
関西に黒いタクシーが多いのは、上質な黒タクと併用できることが主な理由です。
オリンピックの影響で、東京では深藍色のJPNタクシーが増加するなど、色彩は落ち着く傾向へ。
色だけでなくサービスも取り揃っているタクシー、賢く利用すれば生活をより便利にしてくれるでしょう。
出典
なぜ大阪は黒いタクシーが主流? カラフルだった東京のタクシーが濃紺に代わった訳(くるまのニュース) – Yahoo!ニュース(参照2020.7.29)