3月3日のひな祭り、女子のいる家庭はひな人形を飾ります。
ひな人形の片付けが遅いとお嫁に行き遅れる、そう聞いたことはありませんか?
このお話の真相と、その所以を調査しました。
ひな人形と婚期の関係はズバリ…!
When(いつ)
昔は
What(何を)
ひな人形を
Why(なぜ)
厄払いのために
How(どのように)
水に流す習慣がありましたが
流す代わりに、早く片付けることで厄を遠ざけるようになりました。
Who(誰が)
女の子にとって
Why(なぜ)
厄=婚期を逃す、との考えから
ひな人形と婚期の迷信が生まれたと推測されます。
ひな人形と婚期の関係に根拠はない。由来は厄払いが元になっている?
ひな人形を片付け忘れると婚期が遅れる、というのは迷信です。
発祥元の1つに、早期に片付けることで厄を遠ざける、という説があります。
昔は人形に厄を移して水に流す習慣があり、流す代わりに早く片付けるようになったのです。
片付け遅れて厄が残ると、女の子にとって良くない、それが婚期の遅れという迷信につながったのでしょう。
そのほかにも、女子のしつけ、「嫁く(かたづく)」という言葉をかけた、という由来があります。
ひな人形は女子の幸せを祈願したもの
3月3日のひな祭り、旧暦では「上巳の節句(じょうしのせっく)」と言います。
節句の伝来元である中国では、同時期に水で体を清める習わしがありました。
日本では、自らの代わりに厄を移した人形を使い、それを水に流して厄祓いを行っていたのです。
いつからか、幼女の遊び道具であった「ひいな」という人形が上巳の節句に用いられるように。
ひいなに女子の厄を祓ってもらうことで、健康や幸福を祈願していました。
片付けが遅いと婚期が遅れる?
結論から言えば、ひな人形の片付けと婚期に直接的な関係はありません。
お嫁に行き遅れるというのも、根拠のない俗説と言えます。
なぜそんな話が広まったのかは諸説ありますが、一般的に考えられる3つを紹介しましょう。
・厄祓いの意味がある?
幼女のおもちゃだったひいなから、厄祓いの“ひとがた”となったひな人形。
昔は草や紙で作ったひな人形も、時代とともに豪華な仕様になっていきます。
本来なら水に流して厄祓いの完了ですが、絢爛なひな人形を流すのは忍びない。
その代わり、厄を遠ざけるために「早く片付ける」という考えが定着したのです。
女の子にとって不幸の象徴と言えば、お嫁に行き遅れること。
そんな当時の価値観も、迷信に反映されているのでしょう。
・女子のしつけの一環だった?
ひな人形も片付けられないようなら、立派なお嫁さんにはなれない。
教養や花嫁修行の一環として、片付けをしつけたという説もあります。
確かに時期外れのお飾りがそのままだと、なんとなくだらしない印象になりますよね。
きちんと片付けのできるお嫁さんになってほしい、そんな親心から生まれた一説です。
・「片付く=嫁ぐ」という意味から?
「片付く」には“娘がお嫁に行く”という意味もあり、同じ読み方で「嫁く」と書けます。
ひな人形を早めに片付けることと、嫁いでいくことをかけたことで、婚期にまつわる俗説ができたのでしょう。
本当はいつ片付けるのがいい?
3月3日を過ぎたら、時間のあるタイミングで片付けましょう。
何日過ぎても結期には関係ないので、休日など好きな時に片付けて大丈夫です。
適当な日があるとすれば、晴れた日に仕舞うのが吉。
ひな人形は湿気に弱いため、雨天に片付けると悪影響を受けやすくなります。
保管場所も同様に、湿気のこもるところは避けてください。
取り扱いの詳細は、購入店に訪ねておくと安心です。
気になるけど忙しい!そんなときは?
いくら迷信とはいえ、昔からの言い伝えを気にするご家庭もあるでしょう。
大切な我が娘のこととなると尚更です。
忙しいけど気になる、そんな時は“ひな人形を後ろに向ける”という方法があります。
飾ったままでも後ろ向きにすることで、役目を終えた人形を帰す、祭りの終わりを示す、という意味になるのだそう。
そのまま放置するよりは安心かも……そんな方は実践してみましょう。
雛人形の片づけが遅いと、婚期が遅れると言われる理由を知りたい。 | レファレンス協同データベース(参照2020.1.6)
雛人形を飾る意味とは?雛人形の起源や何歳まで飾ればよいのか? | 雛人形(ひな人形)・五月人形の吉徳(参照2020.1.6)
上巳 ~桃の節句とひな人形~|一般社団法人日本人形協会(参照2020.1.6)
雛人形と婚期 行き遅れる? | 桃の節句に向けてPreferの雛雑学(参照2020.1.6)
お雛様(雛人形)を早く片付けないと嫁に行き遅れる? [暮らしの歳時記] All About(参照2020.1.6)
片付く・嫁く(かたづく)とは – コトバンク(参照2020.1.6)
雛人形と婚期の関係|伝統の木目込み雛人形・五月人形・浮世人形|真多呂人形公式(参照2020.1.6)
ひな人形を飾ろう!出す時期やおすすめの選び方を紹介
婚期にまつわる話は俗説ですが、だからと言って適当に準備するのは考えもの。
事前の心構えを万端にして、女の子の幸せを祈願しましょう。
いつから飾るのが良い?
ひな人形を飾る日に決まりはありませんが、立春を目安にするのが一般的。
立春は節分の翌日なので、この日から2月中旬頃までに準備をするのが良いでしょう。
時間がなくても、ひな祭りの前日に出す“一夜飾り”は縁起が悪いので注意を。
購入から考える場合は、余裕を持って1月頃から検討するのがおすすめです。
どうやって選べばいい?
たくさんの種類があるひな人形。
一度買ったら基本的に使い続ける物なので、慎重に選びたいですよね。
初めてひな人形を購入する際、意識しておきたい点をまとめました。
・ 間取りから大きさを考える
おうちの間取りから“飾る場所”と“片付ける場所”をピックアップし、どれくらいの大きさにするかを検討しましょう。
本格的な七段飾りであれば、相応のスペースが必要。
コンパクトなタイプなら、棚の上に飾れるほどのものまであります。
商品によってサイズがバラバラなので、自宅に合ったものを選んでください。
贈り物にする際は、先方に希望の大きさを訪ねるのがベストでしょう。
・ 予算から商品を絞る
ある程度予算を決め、適当な商品を絞り込むこともポイントです。
ひな人形の価格帯は非常に広く、数万円から100万円以上する商品まであります。
無理のない範囲で予算を設定し、選択肢を定めましょう。
・ 部屋の雰囲気にも配慮する
畳のない家の場合、フローリングでも浮かないデザインが嬉しいもの。
最近は洋間に飾っても違和感の少ない、現代風なひな人形もあるのです。
せっかくお家に飾るものなので、部屋の雰囲気に合わせられると理想ですね。
お手入れが簡単なタイプはある?
デリケートなひな人形、お手入れの簡単な商品だと助かります。
準備も片付けも手軽にできるタイプといえば、ケース入りのひな人形。
人形が全てケース内に収まっており、丸ごと出し入れするだけでOKなのです。
人形に直接埃がかぶりにくく、ケースで囲われているため子供が壊すリスクも低いでしょう。
より気軽に飾れるタイプとなると、コンパクトな置物タイプ、スペースを取らない掛け軸タイプなどもありますよ。
【天鳳堂資料室】雛人形を飾る時期、しまう時期(参照2020.1.6)
雛人形の選び方(衣裳着人形) | 雛人形・京雛・京人形の桂甫作安藤人形店/京都(参照2020.1.6)
ひな人形の片付けと婚期は無関係!ありがたい存在を敬う気持ちが大事
ひな人形を片付け遅れると婚期も遅れる、というのは迷信です。
発祥の由来は厄払いやしつけなど諸説ありますが、ひな人形と婚期との直接的な因果関係はありません。
本来は女の子を守り、健康や幸せを願って飾られるもの。
ありがたいひな人形ですから、準備も片付けも心を込めて行いたいですね。
出典
桃の節句とひな人形|一般社団法人日本人形協会(参照2020.1.6)
ひな人形を飾る時期、片付ける時期|ひな祭り~親子で楽しむ桃の節句~(参照2020.1.6)