カップルにとっての一大イベント「結婚式」。
日本の結婚式はいつから、どのような形で存在していたのでしょうか。
結婚式の歴史を振り返れば、その意義を改めて噛み締められることでしょう。
結婚式の起源はズバリ…!
When(いつ)
平安時代頃にあった
How(どのような)
婿入りする男性に餅を振舞う
What(何が)
「ところあらわし」という儀式が
今でいう結婚式に当たる習慣でした。
「ところあらわし」をはじめ、昔からあった結婚式。神前式は明治時代から
昔からある日本の結婚式、古いもので平安時代頃の「ところあらわし」が該当します。
婿入りしてきた男性に、女性側が餅を振舞うならわしでした。
時代を経るごとに内容は変化し、お色直しや三々九度といった行程も見られるように。
和の結婚式といえば「神前式結婚式」ですが、明治時代にできた形態で、意外と歴史が浅いのです。
結婚式の起源は?儀式の習慣化は「ところあらわし」からか
はるか昔の日本では、男性が女性の家に通う“妻問婚”が普通でした。
こうした社会性から生まれたのが、平安時代頃の”婿取婚”です。
婿取婚とは、男性が女性の家に通い、女性側に認めてもらう婚姻形態のこと。
通い始めて三日目の夜に、女性側は“三日餅”を振舞います。
「ところあらわし」という儀式で、今でいう結婚式に該当する慣習です。
こうして男性を家族の一員として受け入れ、婚姻が成立していました。
鎌倉時代以降は父系社会になり「嫁取り」へ
“婿取り”が“嫁取り”に変わるのは、鎌倉時代から室町時代の頃。
男性の権力が強くなり、武家社会に突入すると父系性が一層浸透します。
女性は“輿(こし)”に乗り、男性の家へ嫁いでいくのです。
花嫁衣装は、潔白の意をあらわす白い死装束。
その後で色付きの着物を身につけますが、“嫁ぎ先の色に染まり忠誠を誓う”という意味があったそう。
これが、今も続く「お色直し」の原型と言われます。
細かい作法があった江戸時代。家での結婚式が主流
女性が男性の家に嫁ぐ婚姻形態は、長らく続きます。
それも個人間のものではなく、家同士が計らう“政略結婚”が当然のように存在しました。
親が決めた相手と結婚するのは、普通のことだったのです。
江戸時代には、仲人を介したお見合いが庶民にも浸透します。
結婚に際しては、嫁入り道具の準備や結納、式三献など、細かい婚礼作法があった模様。
式はそれぞれの実家で挙げることがほとんどでした。
家以外での結婚式が広まったのは明治時代
今のように、式場を借りての結婚式が大衆化したのは、明治時代からだと言われています。
当時の皇太子、のちの大正天皇の神前式結婚式が、その発端です。
式は現在の東京大神宮にて披露され、国民の憧れの的となりました。
神前式結婚式は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の二神が結ばれたことに由来する儀式。
三献の儀や玉串奉奠など、日本に古くからある儀礼を取り入れて作られたとされます。
戦前・戦後の結婚式事情
神前式結婚式の登場により、多人数で華やかに行うスタイルが浸透するウエディング業界。
西洋文化の流入促進も手伝って、上流階級の間ではホテルで式を挙げるケースも見られたとか。
しかし、戦争が始まると派手な結婚式は制限され、終戦直後もその傾向は続きます。
復興、そして経済成長とともにウエディング産業は再び隆盛。
恋愛結婚が普通になり、教会式、人前式、リゾートウエディングなど、結婚式の多様化が進んでいくのです。
胡潔(2018)「『源氏物語』と平安時代の婿取婚」PDF(参照2021.2.26)
結婚式の歴史!結婚式の始まりや現在に至るまでの道のりを徹底解説! | 結婚披露宴の親ギフト(参照2021.2.26)
露顕・所顕・伉儷とは – コトバンク(参照2021.2.26)
田中充子「天皇のツマドイ」PDF(参照2021.2.26)
ウエディング業界の歴史 ~どこから需要が発生し、どのように発展してきたのか~ | Wedding Emmy~あなたの笑顔が花嫁の幸せを創る~(参照2021.2.26)
落合恵美子(2004)「歴史的に見た日本の結婚:原型か異文化か」PDF(参照2021.2.26)
神前結婚式 – 東京大神宮(参照2021.2.26)
今井重男(2015)「江戸時代の結婚習俗とそのビジネス性」PDF(参照2021.2.26)
花嫁のお色直しの本当の意味とは?|TBSテレビ(参照2021.2.26)
神前結婚式の由来 | 浅草神社 三社様(参照2021.2.26)
式場選びから演出まで。結婚式の準備にまつわる豆知識
多岐にわたる結婚式の準備、まずは事前の情報収集が大切です。
結婚式の段取りに関するアレコレを知り、手はずを整えておきましょう。
式場選びのポイントは?
結婚式の準備、一般的に1年前〜半年前には始めたいところ。
中でも最初に悩むのが、式場決めです。
まずは以下のポイントから、どこで式を挙げるかを考えてみてください。
・ どんな式にしたいかから考える
厳粛で神秘的な和風の式も良いけれど、ロマンチックな教会で愛を誓い合うのも素敵。
カップルごとに思い描く理想の結婚式から、式場を選んでいくのが基本です。
会場やホテルに挙式場が設けられているケースが多いですが、本格的に神社や教会で挙げるのも憧れますよね。
場所ごとに装いや雰囲気は様々ですから、1つ1つ見学して好みの式場を見つけてください。
・どれくらいの規模にするかから考える
親族以外にも、友人や職場の仲間まで幅広く呼びたい。
大人数での結婚式となれば、それなりのスペースが必要です。
身内だけで集まる場合、大きな会場だけでなく、レストランウエディングなども候補に挙がります。
必要であれば、両親族の意見も参考に式の規模を想定しましょう。
装いや演出はどう決める?
式場が決まれば、具体的に式のプランも考えていきます。
装飾はどんな雰囲気にするか、料理や演出はどうするか。
細かい項目が様々ですが、こちらも次の要素を目安にしてみてはいかがでしょうか。
・演出は手間と内容のバランスを考慮
凝った演出にすればするほど、その用意に時間とお金がかかります。
ビデオ、歌、踊り……事前に練習や製作が必要なものなら尚更です。
依頼したい友人や知人がいる場合、その方たちの都合にも配慮しなくてはなりません。
お互いや周囲の生活に支障がない範囲で、演出内容を決めましょう。
・料理はプラン以外のものができるかも相談
基本は式場が用意するプランから、料理を選ぶことになります。
ゲストの年齢層などから料理の傾向を考えたり、アレルギーの有無も確認しておくのが理想。
そうなると、プランにはないけどこんなものが追加できないか、食材を変えられるかなど、相談できるとベストですね。
・ 季節や衣装に合わせた装飾選び
テーブルクロスからナプキンに至るまで、自分たちで選ぶことになる装飾品。
どうすれば良いか迷ったら、式の季節に合わせて色や柄をチョイスする手もあります。
また、衣装に合わせて装花の種類や色を決めるという考え方も。
より統一感が高まり、大人っぽく落ち着いた雰囲気になるでしょう。
あらかじめ予算を決めて計画的に
いずれの項目も、ある程度決めた予算の中から選ぶのが基本です。
ウエディングプランは非日常な体験だけに、ついつい浮かれがち。
気づいたらアレもコレも追加し、予算を大きく上回っていた……なんてことになりかねません。
自分たちだけでお金を出すのか、両親からの支援があるかどうかでも、式場選びや内容の決め方が違ってきます。
結婚式は、一生の記念に残る大イベント。
金銭関係で揉めることのないよう、最初にしっかりと計画を練っておくのが大切です。
プロポーズから結婚式・新生活まで【結婚の流れ&段取り】まとめ|ゼクシィ(参照2021.2.26)
これでスムーズ&完璧!結婚式の準備スケジュールとやることリスト | みんなのウェディングニュース(参照2021.2.26)
形は違えど、古くからあった結婚式。事前準備を入念にして素敵なイベントに
結婚式に該当するならわしは古くから存在し、儀式として習慣化したのは平安時代頃の「ところあらわし」だと考えられます。
日本独自の挙式形態である神前式結婚式は、明治時代に生まれました。
現在は教会式、人前式の需要も高いほか、リゾート婚やレストランウエディングなど、多様化の時代に。
二人の門出にふさわしいイベントにするためにも、事前準備を怠らずに晴れの日を迎えてくださいね。
出典
高群逸枝(1963)「日本婚姻史」PDF(参照2021.2.26)
増田榮美(2016)「—リゾートウェディングの誕生に焦点をあてて—」PDF(参照2021.2.26)
柴田雅代(2015)「結婚式の変遷-戦後の舞鶴市を中心に-」PDF(参照2021.2.26)
結婚式はいつから始まった? – 結婚指輪・婚約指輪のSANJI(参照2021.2.26)