近年よく目にするようになった「男性用」の化粧品。
なぜ男の人向けに区別された化粧品ができたのでしょうか。
その理由や、性別にとらわれない化粧品選びのホントをお届けします。
男性用化粧品がある理由はズバリ…!
Who(誰が)
男性と女性とでは
What(何が)
肌の性質が
Why(なぜ)
異なるため
How(どのように)
悩みや求める効果に合うよう
男性用化粧品が作られました。
男女の肌質の違いから男性用化粧品が生まれた
一般的に男性と女性では肌質が異なります。
そのため出やすい肌トラブルや、化粧品に求める効果も違うのです。
それぞれのニーズに応えるため、女性向けとは別に「男性用」の商品が作られたと考えられます。
男女の肌質の違い
男性と女性の肌質はどのような違いがあるのでしょうか。
一般的に考えられる男女の差を解説します。
・ 男性の肌の特徴
女性よりも皮膚が厚く、皮脂分泌が多い傾向にあります。
反面水分量は女性に比べ少なく、水分蒸散量は2倍以上に及ぶことも。
スキンケアに対する意識が低いせいか、お手入れ不足による肌トラブルも出やすいと言われています。
・ 女性の肌の特徴
男性と比較し皮膚が薄く、皮脂量も少ない場合が多い女性。
水分量、保水力に関しては女性の方が高いようです。
生理周期や妊娠・出産など、内側からの影響が肌に出やすいのも特徴でしょう。
肌の違いと化粧品の違い
性質の異なる男女の肌、悩みやトラブルの傾向も違います。
化粧品は肌の状態や期待する効果によって選ぶもの。
男性と女性では求める効能や改善したい悩みが違うため、化粧品も性別のニーズに沿ったものが用意されるのです。
・ 男性用化粧品の特徴
多いのは皮脂抑制やニキビケアに特化したものでしょう。
女性よりも皮脂が出やすい男性肌、テカリや皮脂過剰によるニキビへの対策が強化されています。
そのため洗顔料の洗浄力は比較的強く、化粧水や乳液もサッパリタイプが主流です。
最近では“低刺激”を売りにするメンズコスメも見られるようになりました。
・ 女性用化粧品の特徴
ただトラブルを改善するだけでなく、美容にアプローチするものが多い女性用化粧品。
美白やアンチエイジングなど、美容効果を売りにしているアイテムがよく目につきます。
肌質に合わせた化粧品のラインアップもあるなど、男性用より選択肢が充実しているのも特徴ですね。
「男性用」と区別されるのはなぜか
もともと化粧品=女性向けに作られてきたため、◯◯用と性別の不向きを示す必要はありませんでした。
男性向け、メンズコスメというワードが生まれたのは、男性もスキンケアを行う時代になってから。
しかし、女性が多い化粧品売り場で男性が商品を手に取るのは抵抗がありますよね。
「男性用」と区別することで購入への抵抗感を薄めたり、化粧品に詳しくない男性でも選択肢に入れやすい、という思惑があると考えられます。
男性が女性用を使っても良い?逆は?
男性だから男性用の化粧品を使わなければいけない、という決まりはありません。
女性向けに開発されている商品を男性が使っても問題ないのです。
逆も然りで、女性が男性用アイテムに興味を持つ場合もあるでしょう。
いずれのケースでも、あなたの肌に合っていれば使っても大丈夫なのです。
化粧品の使用、男女での共通点は?
男性用、女性向けというキャッチコピーは、あくまで選択の一助です。
基本は製品ごとの成分や期待される効果から、自分の求める化粧品であるかを考える必要があります。
最終的な判断は使ってみてから。
副作用などのトラブルがない、使い始めてからハリが出てきたなど、実際の使用感を自分で確認しましょう。
性差だけで選択肢を狭めず、肌との相性を軸に化粧品を選んでください。
肌質の男女違いについて調査! | 【美プロPLUS】(参照2019.8.21)
傳田,高橋(1990)「超音波断層撮影装置による顔面皮膚厚の測定」(参照2019.8.21)PDF
Men’s Beauty メンズビューティー|(スキンケア)男性と女性の「肌構造」の違い(参照2019.8.21)
男性用、女性用の化粧品を選ぶときのポイント
男性が女性向けコスメを使いたい、あるいはその反対もあるでしょう。
どんなシーンが想定されるのか、選び方のポイントなども合わせて解説します。
男性が女性用を選ぶ場合
たくさんの種類がある女性向け化粧品。
メンズコスメが合わなかった男性も、納得のアイテムに出会えるかも。
特に美容面や肌への優しさを考えるなら候補に入るでしょう。
・ 豊富な美容効果を得たい方に
女性向けの化粧品には、美白や保湿効果が期待できる様々な美容成分が配合されています。
男性も、自分が欲しいと思う美容効果から化粧品を選んでみましょう。
シミが気になる人は美白成分、乾燥が酷い場合は高保湿成分が入っているかが目安の1つに。
有名な美白成分にはビタミンC誘導体やハイドロキノン、保湿成分にはセラミドやヒアルロン酸などがあげられます。
・ 優しい洗浄力を求める方に
洗顔料選びの時に気をつけたいのが、その製品の洗浄力です。
様々な女性用洗顔料がありますが、男性向けのものよりは使用感がマイルドなタイプが多くなります。
メンズ用洗顔料だと強くつっぱる、粉吹きや皮めくれが起こる。
こういった方は女性向けの優しい洗顔料が合っているかもしれません。
・ エイジングケアが気になる方に
女性向けの化粧品には、加齢肌にアプローチするアイテムも多くあります。
シワやたるみが気になってきたら、エイジングケアに特化したレディースコスメも視野に入れてみて。
レチノールやビタミンC誘導体などが入った、老化防止に役立つ化粧品に注目してみましょう。
女性が男性用を選ぶ場合
最近増えてきたメンズコスメ、気になる女性も少なくないのでは。
敢えて男性用化粧品を選ぶケースは稀かと思いますが、もしもの場合はどう判断すれば良いのでしょうか。
・ 清涼感を得たい方に
使用後の清涼感やサッパリ感は、男性用化粧品に多く見られる性質。
メントールやアルコールなどがその元になる成分です。
反面、これらは肌に刺激となることも。
メンズコスメには刺激のある成分もよく見られるため、合わないと感じたらすぐに使用を中断しましょう。
・ オイリー肌対策をしたい方に
皮脂量が多い男性向けの化粧品には、それを抑える成分がよく使用されます。
女性でもオイリー肌で悩んでいる場合、メンズコスメの皮脂抑制作用が効果的に働くかもしれません。
ただし、このオイリー肌とは体質的に皮脂が多い方を指します。
間違ったケアで皮脂過剰になっている場合、乾燥に起因するケースが多いため気をつけましょう。
・ 思春期ニキビをケアしたい方に
思春期ニキビの原因の多くは、時期特有の皮脂過剰です。
メンズコスメの皮脂抑制作用は、皮脂過剰によるニキビに効果的であると考えられます。
大人ニキビの場合は皮脂だけでなく、乾燥やストレスなど原因が多岐に渡るので要注意。
刺激の強い男性用化粧品が逆効果になることもあるので、ニキビの原因によっては使用を控えましょう。
性別化粧品は肌質の違いが理由!性差より個人差で判断するのがベスト
元々女性向けに作られていた化粧品ですが、男女の肌質の違いから男性用化粧品が生まれたと考えられます。
◯◯用はあくまで選択目安の1つ。
男性でも乾燥しやすい人、女性でも皮脂過剰に悩む人はいます。
性別の違いだけでなく、個人の肌質を意識した化粧品選びを心がけてください。
出典
スッピンなのに綺麗! 女性より男性の方がお手入れいらずで美肌なワケ(2014年10月29日)|ウーマンエキサイト(1/4)(参照2019.8.21)
株式会社ポーラ・オルビス・ホールディングス(2009)「ポーラ化成が男性の肌を徹底調査 おでこのテカリは洗顔後4時間後から大幅に増加する など」(参照2019.8.21)PDF