うちの子は賢い!と感じている犬や猫の飼い主さんは多いかと思います。
実際のところ、犬と猫の知能はどれくらいで、どんな違いがあるのでしょうか。
双方の知能について、様々な見解をまとめています。
犬と猫、知能の違いはズバリ…!
What(何が)
脳細胞の数で比べると
Which(どちらが)
犬の方が
How(どのような)
猫よりも多いことから
優れた能力を持つと予想されています。
脳科学の観点では犬が優秀?猫も犬も人間でいうと2〜3歳くらいの知能
脳科学的には、猫よりも犬の脳の神経細胞が多いことがわかっています。
神経細胞は情報処理能力に関わるため、数が多いほどその能力に優れていることが予想できるでしょう。
ただし、それだけで全ての知能を測れるわけではなく、あくまでも判断材料の1つ。
人間に例えると、どちらも2〜3歳程度の知能だと言われるほか、種類差や個体差もあるのです。
犬と猫の脳の比較
脳の中には、ニューロンと呼ばれる細胞があります。
これは情報処理や伝達に優れ、人間の脳には約800億〜1000億もの数が存在するのです。
犬と猫の大脳皮質のニューロン数を調べたところ、猫はおよそ2億5000万、犬は5億個ほどあることが判明。
脳細胞の数で見れば、犬の方が高い知能を持っていると考えられます。
犬の知能や賢さの傾向
社会性のある犬は、群れの中で生きる動物です。
群れには上下関係が存在し、強いものに従うのが基本。
人間との生活でも同じで、きちんと躾ければ飼い主に従順なケースがよく見られます。
人の言うことをよく聞き、お手やおすわりなどの芸も得意な犬。
このような犬の習性は、「犬=賢い」というイメージにも繋がっているでしょう。
・犬は人間と自分が違うことを理解している
犬と犬が遊ぶ場合と、犬と人間が遊ぶ場合、犬のとる行動は変わります。
このことから、犬は“自分と人間は異なる生き物”だと理解している、と捉えられるのです。
犬の知性の高さを表す要素と言えますね。
猫の知能や賢さの傾向
猫は単独で狩りをする動物なので、群れるのを好みません。
マイペースな印象が強いのは、一人で行動する習性があるためです。
人間に従うのではなく、気が向いたときに寄ってくる。
そんな猫のつれない習性が、「あまり言うことを聞いてくれない」という印象を抱かせているのではないでしょうか。
これは、猫の知能が低いことが理由ではなく、本能的な生き方由来のもの。
むしろ「人間に合わせる必要はない」と考えて行動しているとしたら、非常にしたたかで賢い動物なのかもしれません。
・猫は人間と自分は対等だと思っている
犬とは違い、猫同士がとる行動と、猫が人間にとる行動には、大きな差がありません。
それは、猫が人間のことを“大きな猫”だと思っているからでしょう。
猫は自分より劣っている相手にすり寄ったりしないため、人のことを下に見ている訳でもないのだとか。
あくまでも対等、そう考えているのだとしたら、実に猫らしいと思いませんか?
犬猫と人間を単純に比較できない
人間の知能を基準に比べると、犬や猫の方が下と感じるのは事実。
一方で、犬や猫の危険を察知する能力、空間を認識する能力など、人から見ても非常に優れている点もあります。
また、特に猫は研究が不十分な点も多く、今後さらに新たな見解が生まれることも考えられるのです。
単純に、人基準の知能だけでは測りきれない。
そんな魅力が、犬猫ともに溢れているのだけは確かでしょう。
CNN.co.jp : 「犬は猫よりも賢い」、国際研究で結論 神経細胞数を計測(参照2020.12.17)
日本学術会議_おもしろ情報館(参照2020.12.17)
ネコは飼い主をネコと思っている? | ナショナルジオグラフィック日本版サイト(参照2020.12.17)
猫は人間のことを”猫”だと思っているってホント? 獣医師が解説 | マイナビニュース(参照2020.12.17)
犬のからだセミナー 知能編 「賢い」といわれる犬、その実力は? | 動物医療関係者の通販サイト ペピイベット(PEPPYvet)【旧 ベッツワン】(参照2020.12.17)
猫の知能は、人間でいうと何歳なのか? | マイナビニュース(参照2020.12.17)
もっと気になる。犬と猫の知能を深掘り
犬や猫は本当に人間の言葉を理解したり、覚えていたりするのでしょうか。
気になる理解力や記憶力のほか、コミュニケーション能力についても追求!
犬と猫は人の言葉を理解できる?
犬も猫も、ある程度は人の言葉が理解できます。
猫は自分の名前がわかるほか、飼い主の声か別人かの弁別もできるのです。
目を見て呼びかけるのと、そうでないのとでは反応が変わるため、飼い主の状態を理解する能力も。
躾ければ芸達者になる犬、猫より多くの言語がわかるとされます。
警察犬や盲導犬などの重要な仕事が果たせるのは、優れた理解力を持っているからなのですね。
犬と猫に記憶力はある?
数秒〜十数秒の短期記憶力は、犬猫双方に存在します。
猫の短期記憶力は、人間より優れているという実験結果もあるほど。
餌などの強く興味を惹かれるものはよく覚え、そうでないものはすぐ忘れるなど、特徴的な面もあるようです。
犬は短期的な記憶力だけでなく、長期にわたり記憶を持つケースも。
例えば一緒に過ごした人間と何年か後に再会した時、非常に嬉しそうな反応を示す犬の報告例もあります。
犬と猫は感情表現をする?
人間であれば、泣いたり怒ったりして感情を表現しますね。
実は犬と猫も、特有の行動で感情を表しているのです。
代表的なのが“しっぽ”を使った表現。
犬が大きくしっぽを振っていれば喜んでいる、とよく言いますが、振り方によっては全く違う感情の時もあるのだとか。
猫のしっぽが大きく膨れている時は、警戒心や不機嫌な気持ちが高まったことを意味します。
両者ともにお腹を見せることがありますが、これは相手に心を許している場合にする行動です。
犬や猫にとっては急所を晒すのと同じですから、それができる環境=安心して過ごしている、と捉えて大丈夫でしょう。
犬の記憶力 少しずつだが解明はすすむ | sippo(シッポ) |(参照2020.12.17)
専門家に訊く―本当にネコやイヌは人間の言葉を理解しているのか? – Discovery Channel Japan | ディスカバリーチャンネル(参照2020.12.17)
猫の記憶力はどのぐらい?驚きの研究結果とその特徴 | ねこちゃんホンポ(参照2020.12.17)
犬と猫の感情表現の違い7選 | わんちゃんホンポ(参照2020.12.17)
犬と猫の愛情表現 | 福岡のトリミングサロンshampowan【シャポワン】(参照2020.12.17)
犬にも感情がある、MRIで確認 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト(参照2020.12.17)
脳細胞の数は犬が多い。犬猫共に能力には種類差や個体差がある
犬は、猫よりも脳細胞の数が多いことが報告されています。
これを前提とすると、情報処理や伝達能力において、犬の方が優れるとの推測が可能です。
知能的には、いずれも人間でいう2〜3歳程度とされる犬と猫。
本能や習性が、犬や猫の賢さをあらわすイメージの1つとなっている、との見方もできるでしょう。
実際の能力は種類や個体によって差があるほか、生育環境によっても異なります。
出典
イヌはネコより賢い? 脳内のニューロン数は2倍|NIKKEI STYLE(参照2020.12.17)
なぜイヌはネコより賢いのか―イヌの類まれなる才能 – WSJ(参照2020.12.17)
齋藤,篠塚(2009)「ネコの社会的知性はいかに研究するべきか」PDF(参照2020.12.17)
齋藤慈子(2018)「なぜネコは伴侶動物になりえたのか 比較認知科学的観点からのネコ家畜化の考察」PDF(参照2020.12.17)
長谷川寿一(2012)「イヌとネコの認知行動特性に関する比較研究」PDF(参照2020.12.17)